『ワイルド・スタイル』に代表されるヒップホップ映画の系譜に新たな1作が加わった。弱冠23歳のアダム・バラ・ラフ監督が作った『ボム・ザ・システム』は、ニューヨークで注目を集めるグラフィティ・ライターの物語だ。“グラフィティ”とは、街中にスプレーでデザインや主張をペインティングする落書きアートのこと。本作で、主演とプロデューサーをつとめたマーク・ウェバー(24歳!)が初来日した。
ここのところ、人気コミックやアニメの実写化が立て続けに実現している。しかし、日本の作品だから日本人による実写化かと言えばそうでもない。昨年も韓国で製作された『オールドボーイ』が話題になったが、その話題をさらに上回るであろう作品が香港のチームにより製作された。コミックの売り上げ総数3900万部という大ヒットを記録している『頭文字(イニシャル)D』の実写化である。『インファナル・アフェア』コンビの アンドリュー・ラウとアラン・マックが監督を務め、ジェイ・チョウやエディソン・チャン、ショーン・ユー、アンソニー・ウォン、そして日本からも鈴木杏が参加するなど、キャスティングも魅力的だ。
東京郊外の団地に住む、どこにでもいる普通の家族。父、母、娘、息子、祖母…でも“普通の家族”って何? 映画『空中庭園』は“家族”という仮面の下に隠されたその正体を、静かに、しかし容赦なく暴き出す。直木賞作家・角田光代の原作を、『青い春』などの豊田利晃監督が小泉今日子を主演に迎えて映画化した。
夏になっても衰えを知らない韓国映画。秋に向けて話題作が待機する中、夏にぴったりの韓流アニメーションがついに上陸する。『マリといた夏』は権威あるアヌシー国際アニメーションフェスティバルでグランプリを受賞、イ・ビョンホンやアン・ソンギが声優として参加しているのも侮れない。監督を務めたイ・ソンガンにその制作秘話を聞いた。
カタリーナ・サンディノ・モレノ。彼女の名前を初めて聞いた…という人もいるかもしれないが、それもそのはず、『そして、ひと粒のひかり』は800人以上の応募者の中から選ばれたカタリーナのデビュー作だ。しかし、彼女は並の新人女優ではない。昨年のベルリン国際映画祭では『モンスター』のシャーリーズ・セロンと共に主演女優賞を受賞し、去る2月のアカデミー賞では見事主演女優賞ノミネートという快挙を成し遂げた。デビュー作からその名を世界に届かせたカタリーナ。公開を控え来日した彼女の素顔に迫った。
一度聞いたら絶対に忘れられないタイトルだ。誰もが知るブルーハ−ツの名曲を大胆にも引用した本作こそ、この夏の日本映画の台風の目となっている『リンダ リンダ リンダ』である。公開前日に主演のペ・ドゥナが急遽韓国から来日し、過密スケジュールの中をインタビューに応じてくれた。
透き通るような透明感と確かな存在感をあわせ持つ女優・小山田サユリさん。彼女の主演最新作である映画『心中エレジー』は2組の夫婦を通して生と死のあり方をそれぞれの目線から描き、魂の在り処を求めてさまよう現代人のファンタジーともいえる。どこか幻想的な世界観を象徴する主人公・京子役の小山田さんにインタビューした。
全てを知り尽くした人と何も知らない人だったら、どちらが魅力的だろうか──? そんな命題に挑んだのはイギリスの文豪、オスカー・ワイルド。彼の戯曲「ウィンダミア卿夫人の扇」が、誕生から1世紀以上を経て映画としてよみがえった。華やかでありながら脆い女性の繊細さを表現することに成功したマイク・バーカー監督に話をうかがった。
メトロ(地下鉄)と言えばパリの代名詞。見知らぬ者同士が行き交い、わずかなひとときを共に過ごすこの空間で1組の男女が出会う…。奇しくも日本でも電車を舞台にした純愛映画が大ヒットしたが、フランス版『電車男』ともいえる『メトロで恋して』のアルノー・ヴィアール監督と主演俳優のジュリアン・ボワッスリエに、映画にまつわる話からプライベートな恋愛観までを語ってもらった。
実写化不可能…というより誰も実写化しようとすら思わなかったであろう漫画が実写化されてしまった。その映画こそ『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』である。原作は450万部の売上げを誇る同名ギャグ漫画。あらゆる常識を無視し、漫画でしか成り立たないと思われた世界をいったい誰が、どのように映画化したというのだろうか。というわけで、本作の構成・出演を兼ね、お笑いコンビ130Rとしての活動やダウンタウンの番組などでもお馴染みの板尾創路さんに話をうかがった。
批評家やファンの間で絶賛された『スリー・キングス』から5年。奇才デヴィッド・O・ラッセル監督がまた想像を超えるツイステッド・コメディを生み出した。今回注目すべきは、ユニークなストーリーや映像に加えて、個性的なキャラクターたちを演じる豪華キャスト。ジュード・ロウのほか、ナオミ・ワッツやダスティン・ホフマンなど、ハリウッドきっての演技派が集結した。彼らを惹きつけるデヴィッド・O・ラッセル作品の魅力とは? この奇想天外な作品が生まれた背景は? 来日した監督の素顔に迫った。
今から30年前、当時のアメリカ大統領、リチャード・ニクソンの暗殺を企てた男がいた。彼の名はサム・ビック。サムの計画は民間機をハイジャックし、ホワイトハウスへ突っ込むというあの9.11の悲惨なテロ事件を彷彿とさせるものだった。『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』はこの実話をもとに描かれたひとりの男のドラマだ。構想から完成までに5年をかけ、世界各国から高い評価を受けている本作の脚本・監督を務めたニルス・ミュラーに今の思いを語ってもらった。
昨夏の『ディープ・ブルー』の大ヒットから1年、フランスから新たな幸せと感動を届けてくれるネイチャー・ドキュメンタリー『皇帝ペンギン』がやってきた。動物園や図鑑でしか見たことのなかった皇帝ペンギンの知られざる生態に初めて映像のメスを入れたリュック・ジャケ監督が映画よりひと足先に来日。作品に込めた思いを語ってくれた。