今年で第60回目という記念すべき年を迎えたカンヌ国際映画祭。その60周年企画が、『トゥー・イーチ・ヒズ・オウン・シネマ(原題)』だ。これは世界25か国、33組(35人)の監督が、“映画と人”をテーマに3分間の短編を製作し、それらを一挙に上映するというもの。この35人の一人として選ばれたのが、北野武監督だ。もちろん、日本から唯一の選出となった。
2003年夏に公開され、全世界で興収6億5300万ドル(約765億円)を記録した『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』。そして、昨年公開され、10億ドル(約1,240億円)を超えるという映画史に残る数字をたたき出した『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』。この前2作を上回る注目を全世界から集めるシリーズ最終章『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』が遂に完成、現地時間の5月19日(土)、ワールド・プレミアがロサンゼルスにあるディズニーランドにて大々的に行われた。
世界中の巨匠たちが集まった、まれにみる記者会見(個人的には目の前にウォン・カーウァイやコーエン兄弟、ツァイ・ミンリャン、ケン・ローチが並ぶという異様な図に興奮。個人的ファンのチェン・カイコーが遠かったのが残念!)。その後は、日本人プレス数名と昼飯に出かけて、その足で『大日本人』プレス試写に駆けつけたわ。
昨夜が長丁場だったから、今朝はかなりキツ〜。今回、合宿生活を送っている友達のライターとともに身体の重〜い朝を迎えたわ(なんで合宿かっていうと、この時期のカンヌは宿代が高騰して、1泊最低3万は下らないのよ。だから、アパートを借りてシェアするのが賢い方法)。
『ボウリング・フォー・コロンバイン』では銃問題について、そして『華氏911』では、イラク戦争問題について提議し、世界中で社会問題を巻き起こしてきたマイケル・ムーア監督。そのムーア監督の新作は、医療制度を取り上げた『シッコ』。本作がカンヌ国際映画祭でお披露目され、ムーア監督の記者会見が行われた。
フジテレビのパーティの後、上映後の様子を知るために『大日本人』の上映会場に舞い戻ったんだけど、その時にムービープラスのみなさんと合流。「せっかくだから挨拶映像を撮ります!」ということで、お恥ずかしながら映像にてご挨拶させていただいておりますわ。お目汚しながら、失礼します〜。
まっちゃんの『大日本人』公式上映は大盛況! 土曜の夜の上映だったから、そこそこ人は入ると思っていたけど、座席はほぼ満席状態で(あとで聞いたら800人!)しかもわかりにくいとされている日本のお笑いに結構な勢いで反応があったわ。これはなかなかのリアクションだと思うの。ただ、上映中のまっちゃんは本当に緊張していたそうで、終わった後の記者会見では「こんなに緊張して映画を観ることなんて、生まれて初めて。(時差ぼけで)眠くなるなんて余裕すらなかった」そうな。あのまっちゃんが? と聞きなおしたくなるようなコメントに、取材陣もちょっとビックリ。
まっちゃんの取材前の話だけど、『ノー・カントリー・フォー・オールドメン(原題)』の記者会見があったの。そっちにフル出席していると、まっちゃんの取材には間に合わないから、会見場に入ることを遠慮しちゃったんだけどね。でも、コーエン兄弟とハビエル・バルデムほか主演俳優が揃うなんて、これからはそうそうない話だろうから見ておきたかったんだけどね…。ちょっと欲張りな心が働いてしまって、とりあえずモニターで会見を拝見してしまったわ。これはそのときの写真。
今日はネタ豊富だわ〜。さすが映画祭も中盤にさしかかり、俄然華やかさが増してきてるわよ〜!
『シッコ』後は、昨日もお知らせした『サヴェッジ・グレイス(原題)』主演のジュリアン・ムーアにインタビュー。
今日は朝から注目作が目白押しだから、取り急ぎ! 朝一番の試写と記者会見は『シッコ』。『ボーリング・フォー・コロンバイン』や『華氏911』のマイケル・ムーアのドキュメンタリー最新作でーす。社会に対して批判的な視点を持った作品って、カンヌ向きなんだけど、彼の作品はドンズバね〜。アメリカ批判とエンタテインメント化されたドキュメンタリーって、インテリ層だけじゃなくて一般にも訴求するから、ものすごい期待感があったの。
今日観た試写は2本。どちらもおもしろかったから紹介するわ。
映画祭の最中は、予測しないことが多々起きるもの。それが「ゲスト、ドタキャン」とか悪いこともあれば、逆にいいこともあるの。今日はいいことの方が起きたわ。突如舞い込んだ「明日、ジュリアン・ムーアの取材ができそうです!」とのお誘いが!!