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【TIFFレポート19】キューバの若者の切ない恋物語『オーシャン』ミハイル監督

実に25年ぶりというロシアとキューバの合作映画『オーシャン』。コンペティション部門にノミネートされている本作の原作・監督を担当したミハイル・コズィリョフ・ネステロフの記者会見が10月21日(土)に行われた。

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『オーシャン』のミハイル・コズィリョフ・ネステロフ監督
『オーシャン』のミハイル・コズィリョフ・ネステロフ監督
  • 『オーシャン』のミハイル・コズィリョフ・ネステロフ監督
実に25年ぶりというロシアとキューバの合作映画『オーシャン』。コンペティション部門にノミネートされている本作の原作・監督を担当したミハイル・コズィリョフ・ネステロフの記者会見が10月21日(土)に行われた。

「ロシアでは寿司バーがたくさん出来ていて、日本食文化があります。日本に来たいと思っていたので、この映画で来日できて夢が叶いました」と満面の笑みで挨拶した監督。本作の舞台をキューバに設定したことについて、「ロシアでは人間関係が昔とは変わってしまった。家族の関係とか私が描きたいものはロシアでは変わってしまったけど、キューバには残っています。もしもロシアで撮っていたら、暗い映画になってしまい、観たいと思う人はいなかったのではないかと思います(笑)」と解説した。

キューバとの合作であることについての質問には、「確かにかつては関係があったけど、実を言うとキューバとロシアの合作映画はここ25年なかったんです。ロシアというよりも、かつてのソ連はキューバ人に非常に罪深いことをしたんです。それはキューバに根強い官僚主義を持ち込んだこと。たった一つの契約を交わすにしてもたくさんの人のサインが必要で、『なんでこんな面倒なの?』と聞くと、『こういうシステムを作ったのはあなた方(ロシア人)でしょ』と言われてしまいました。ロシアの方は昔よりは官僚主義は少なくなりましたが」と、話した。

また、次回作については、まだ決めかねているそう。「最近の世界的な金融危機のせいで、ロシアでは制作がストップしているプロジェクトが180くらいあるんです。私はその前に撮ることが出来てラッキーでしたね。プーシキンというロシアの詩人の言葉で“感情というものが詩を生み出す”というのがあります。芸術の意義というものは、二つのものを対立させるのではなく、その間に愛を生み出すこと。そこに意味があるのです。そのことを若い監督たちにも考えてほしい。戦うのではなく融和を目指してほしい」と、若い映画人にメッセージを残し、会見は終了した。

第21回東京国際映画祭特集
http://www.cinemacafe.net/fes/tiff2008/
《シネマカフェ編集部》

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