偉大なる偏屈者ウディ・アレンが、“ミューズ”スカーレット・ヨハンソンを主演に映画を撮ったというなら「またか…」で終わりそうだが、そこで共演するのがペドロ・アルモドバルのミューズ、ペネロペ・クルスだと聞いたら捨て置くわけにはいくまい。おまけに物語の舞台は、ウディ・アレンにとって“完全アウェー”のバルセロナであり、実生活でぺネロペと恋仲にあるハビエル・バルデムも出演。『それでも恋するバルセロナ』では明るくも複雑なる三角、いやレベッカ・ホールを加えて四角関係が展開される。ペネロペに、スペイン人女優として初めてのオスカー(助演女優賞)をもたらした本作。彼女にこの作品に込めた思いを語ってもらった。
サンゴ礁が生息する美しい海と緑豊かな沖縄の小さな島で、海人の父の下、天真爛漫に育った少女・凉子。だが愛する者を失ったとき、彼女は深海の底のような悲しみの世界に…。しかしやがて、その深海にも一筋の光が差し込む——。『世界の中心で、愛をさけぶ』でその人気を不動のものとして以降、近年では「ラスト・フレンズ」や「ぼくの妹」など、母性を感じさせるまでの大人の女性に転身を遂げた長澤まさみ。間もなく公開される『群青 愛が沈んだ海の色』で、彼女は凉子という一人の女性の絶望、そして再生を見事に体現した。どのようにこの難役と向き合っていったのか、話を聞いた。
主人公の少年・ヨシオと、彼にしか見ることが出来ない不思議な存在“いけちゃん”の交流を通じて、どこか寂しさや儚さを散りばめつつ少年の成長を綴った感動作『いけちゃんとぼく』が公開を迎えた。原作となった漫画家・西原理恵子の手による絵本は、絵本という枠を飛び出して、出版当時から多くの人々に絶賛されてきた。作家の角田光代さんもそんなファンの一人。作家の方に「いけちゃんとぼく」を語ってもらう特別企画「いけちゃんと恋愛小説家」もいよいよ最終回。角田さんにその魅力をうかがった。
彼女の視点で物語を見つめる人も多いのではないだろうか? 『いけちゃんとぼく』に登場する主人公の少年・ヨシオの母親・美津子は、決して“完璧な”母親ではない。育児を放棄しているわけでも、酒を飲んで息子を困らせるわけでもないのだが、自分の中にある愛を子供にどう伝えればいいか分からずに戸惑う。これまで、映画などであまり描かれてこなかったタイプの母親像のように見えるが、案外、世の多くの母親が抱いている思いを代弁しているのかも…。演じるのは、自らも4歳の息子さんを子育て中で、その様子を綴ったブログが高い人気を誇る、ともさかりえ。映画の公開を前にともさかさんが映画に込めた思いを語ってくれた。
キレて人を笑わせることが出来る、キレさせたらこの人の右に出る者はいないはず? そんなカンニング竹山が一切のキレキャラを捨て、至って真面目で切なくなるほどにひたむきな、ひとりの男を演じあげた。彼の名は、須賀啓一。1日のお小遣い500円の薄給サラリーマンだ。ある女子高生との出会いを機に、“勝手に”ヒーローに目覚めてしまう須賀の奮闘を描いた『守護天使』で映画初主演を果たした。
今年、デビュー20周年を迎えた漫画家・西原理恵子。彼女の手による絵本で、文芸界を始め各界の著名人の中にも多くのファンを持つ感動作「いけちゃんとぼく」(角川書店刊)がこのたび実写映画化された。少年時代への郷愁、家族、そして最愛のひとへの想いと様々な感情を描き出す本作。小説家の方々に、その魅力を語ってもらう特別連載企画の第2弾には、エッセイ『愛人の掟』シリーズ(角川文庫刊)のほか、「お水の花道」、「よい子の味方」などのドラマの脚本も手がける梅田みかさんが登場。梅田さんの目にいけちゃんや主人公のヨシオ、そして彼らを取り巻く物語はどのように映ったのだろうか?
世界各国で感動の涙を誘い、本国ドイツでは教科書にまで取り上げられる大ベストセラー「朗読者」(新潮文庫刊)。大戦後のドイツを舞台に若き青年と年上の女性の“朗読”を通して紡がれる激しくも切ない愛を綴った本作が『愛を読むひと』として映画化された。本作で、ヒロイン・ハンナの36歳から30年にわたる人生を生き抜き、アカデミー賞主演女優賞はじめ数々の映画賞を手にしたのが、ケイト・ウィンスレット。確実に彼女の代表作の一つとなった本作について語ってくれた。
前作から2年——。様々なマシンが一瞬にして変身(=トランスフォーム)するという日本発のアイディアを基に映画化され、世界中を熱狂させた『トランスフォーマー』の続編『トランスフォーマー/リベンジ』がまもなく、全世界に先駆けてここ日本で公開を迎える。この最新作では、シャイア・ラブーフ扮する主人公のサムが、大学に入学するのだが、その新生活でのルームメイトおよび同級生がラモン・ロドリゲス演じるレオと、イザベル・ルーカス扮するアリスである。『トランスフォーマー』チームに新たに加わった2人に、映画の魅力について語ってもらった。
映画『ターミネーター』シリーズの作品世界に沿う形で製作されたTVドラマ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」。本作で描かれるのは、後に人類の救世主となる少年ジョン・コナーと彼の母サラ・コナーによる決死のサバイバルだ。衝撃のラストで幕を閉じたシーズン1に続き、物語が佳境を迎えるシーズン2がリリース開始! ジョンを守る美少女ターミネーター、キャメロンを演じるサマー・グローと、ジョンの伯父にあたる未来戦士デレク・リース役のブライアン・オースティン・グリーンがシーズン2の魅力について語ってくれた。
アメリカン・コミックの先駆者ウィル・アイズナーの傑作コミックを、グラフィック・ノベルの鬼才フランク・ミラーが半世紀以上の時を経て、完全実写化した『ザ・スピリット』。本作で観客の目を引くのは、何と言っても主人公・スピリットを誘惑する数々の美女だが、その中でもひと際異彩を放つのが、スピリットの宿敵・オクトパスの冷徹かつ優秀な右腕、シルケン・フロス。演じるは、今年だけでもほかに『それでも恋するバルセロナ』、『そんな彼なら捨てちゃえば?』と待機作が続くスカーレット・ヨハンソン。女性も羨む、その完璧なまでの色気と知性を兼ね備えた彼女に、作品、そして自らのキャラクターについて話を聞いた。
1984年以来、世紀の変わり目を挟んで3作が製作され、多くのファンを熱狂させてきた『ターミネーター』シリーズ。アーノルド・シュワルツェネッガーの印象が強いせいか、一見、男性中心の物語と思われがちだが、リンダ・ハミルトン扮するサラ・コナーに代表されるように、強く、美しい女性像が描かれてきたのも特徴のひとつと言える。まもなく公開を迎える最新作『ターミネーター4』でも、旧来のシリーズ同様に女性の活躍を見ることができる。ブライス・ダラス・ハワードが演じるのは医師、そして妻としてクリスチャン・ベイル扮する主人公のジョンを支えるケイト。そして、ジョンと物語の鍵を握る謎の男・マーカス(サム・ワーシントン)を結びつける、女性パイロットのブレアを好演しているのはムーン・ブラッドグッド。公開を前に、2人に話を聞いた。
シンプルで力強く、思わずクスリと微笑んでしまうような画風と、強烈な笑いと優しさ、そして人生の哀しさを織り交ぜた叙情的な物語で唯一無二の世界を構築する漫画家・西原理恵子。彼女が初めて手がけた絵本「いけちゃんとぼく」がこのたび実写映画化された。これを記念し、原作絵本の大ファンである小説家の方々にその魅力を語ってもらう特別インタビュー企画を3回にわたりお届け! 第1回目に登場するのは「博士の愛した数式」、「ミーナの行進」など、その美しく繊細に紡がれる物語が多くの読者を魅了する小川洋子さん。