ちょっと不思議なマンションに引っ越してきた志織は、小説家志望の隣人平野と運命的に出会う。そして、新しい部屋で突然聞こえてきた不思議な声――。「こちらは一年後の未来です。あなたに危険が迫っています!」それは強盗殺人にあうところだった志織を助けようと時空を越えて届いた、未来からの誰かの声だった。相談を受けた平野は、助かった志織に<タイムパラドクス>が生じることに気付く。それは1年後、志織の存在が消えることを意味していた。必死に自分を助けようとする平野に惹かれていく志織だったが、平野との別れは近づいていた――。
山本透