【東京国際映画祭レポートvol.11】濃い男たちが宮崎あおいを包囲『ハブと拳骨』

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『ハブと拳骨』記者会見に出席したスタッフ・キャスト陣
  • 『ハブと拳骨』記者会見に出席したスタッフ・キャスト陣
  • 作品、現場について問われ「濃い!」を連発した宮崎あおい
  • 「濃い人」のひとり、映画初出演の尚玄
いまだ米軍占領下の1960年代終わり、ベトナム戦争の真っ只中の沖縄。この複雑で過酷な時代をたくましく生き抜く3人の兄妹と母の姿を描き、今年の東京国際映画祭のコンペティション部門に、純日本映画として唯一ノミネートされた『ハブと拳骨』の上映が10月22日(月)に行われた。上映前にはキャスト・スタッフ陣による舞台挨拶が行われ、さらに主演の宮崎あおい、尚玄、虎牙光揮らキャスト陣に、中井庸友監督、原案とクリエイティブ・ディレクター、そして音楽を担当した田中雄一郎、山下貴裕プロデューサーが出席しての記者会見が開かれた。

「こうして東京国際映画祭に参加できて幸せです」と喜びを語る宮崎さん。物語について、本作のテーマである家族愛に触れ「映画の中に出てくる家族や兄妹に共感し、映画を観ながら自分の家族のことを思っていただけると思います」と語ってくれた。撮影はタイでも行われたが、現場の様子や共演者については「濃い!」を連発。「タイ人のスタッフと日本人が入り混じった雰囲気が濃くておもしろかったです。私は、家族とのシーンが中心でしたが、兄役のこの2人(隣に座る尚玄さんと虎牙さん)は見ての通り濃いですし(笑)。石田えりさんが演じたお母さんは、力強くてかっこよかったです。この家族4人で一緒にいられる時間が本当に楽しくて、撮影は大変でしたが、あっという間の数日間でした」と笑顔でふり返った。自身の役柄、そして見どころを尋ねられると「男の人たちが出ている部分は、出そうとしなくても“熱さ”が出ていると思います。私はそこがすごくいいなぁ、と思っています。逆に女性が出ているシーンが少ないので、2人の妹として、そして母を支える娘として熱くないところを私が出せれば、と思って演じました」と力強く語ってくれた。

虎牙さんは「僕は生まれが1975年で、ちょうどこの映画の舞台になっている頃です。僕らが子供の頃は、家族や学校の先生など、周囲に愛情を持って本気で怒ってくれる人がいました。劇中の石田さんがまさにそんな役柄で『あぁ、こういう風に殴ってくれる人いたよなぁ』と懐かしい気持ちで撮影に臨んでいました」と語る。ちなみに石田さんのパンチについては「テイクを重ねるごとに拳が重く強くなってきまして。最後には『拳が痛いよ!』とえりさんに僕が怒られてましたから(笑)。逆に僕が尚玄を殴るときは、えりさんの気持ちをそのままに思い切りいきました」。

尚玄さんはこのパンチについて「台本にはなかったのに殴られたんですよ!」と抗議。そして、虎牙さんと同じく「幼い頃に親にもらった拳骨を思い出しましたね」としみじみとふり返った。映画出演は初めてとあって「不慣れな部分はたくさんありましたが、監督を始め、みなさんに支えてもらって、こうして東京国際映画祭にも参加でき感無量です」と嬉しそうに語ってくれた。

スタッフ陣も映画祭という場で、こうして一堂に会したことに感慨深げ。山下プロデューサー曰く「クリエイティブの部分に関しては監督と田中の2人がいつも喧嘩しながら作り上げました」とのこと。田中さんも完成した作品については「従来の映画にはない温度感や人の躍動感、香りといったものを映像で表現できたと思います」と自信満々。そして中井監督は「パソコンなどが発達したいまの時代、家族や兄弟の間で会話がなくなり、近くにいるのに関係がどこか疎遠になっているような気がします。この離れつつあるものを繋ぎとめたい一心で、昔の記憶をたどりながら撮りました」と映画に込めた強い思いを語ってくれた。コンペティションの結果が楽しみな『ハブと拳骨』。劇場公開は2008年初夏を予定。

「東京国際映画祭特集」
http://blog.cinemacafe.net/tiff2007/
《text:cinemacafe.net》

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